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掲載日付:2023.07.14

与論研修振り返り(遅れてすみません!)

ブログ書くのが遅れました。大変申し訳ございません。
初めまして。5月の4週間与論徳洲会病院で研修させていただきました
研修医2年目の迫慶一です。

以前ブログを書いた寒河江先生の同期になります。
普段は福島県郡山市の総合南東北病院で研修しております。
さっそく与論島研修で感じたこと、驚いたことなどを振り返っていこうと思います。

まずはまじめに医療について。
高杉院長の「優しい医療」という言葉に感動しました。
家族が不安そうだから入院、当直帯で緊急性はないけど精査入院、など本来あるべき医療のかたちを経験しました。
他に入院できる病院がない地域性やその地域での病院の役割などの違いはありますが
患者・家族に優しい医療を提供しようという考えが心に響きました。

今後も「優しい医療」という言葉を大切にしていきたいと思います。

沖縄搬送も経験しました。
与論病院には島にも関わらず、CTもMRIもあります。夜でも撮ることができます。
ただ循環器や脳外の先生がいません。万が一の時は沖縄に搬送する必要があります。

搬送中の急変対応などを経験できました。
連携をとっていただける沖縄の先生方あっての医療を感じました。
また、普段働いている病院にいろんな科の先生がいることのありがたみも感じました。

次は同期の出会いについて。
5月には湘南鎌倉と多治見から同じ2年目が研修に来ていました。
福島県内でも他の研修医がどんな状況なのか詳しく知らない中、他の病院の研修医と働けたことはとてもいい経験でした。

4週間一緒に働き、レベルの差を痛感しました。
知識の差、経験の差、問診・診察の差、積極性の差、手技のうまさ。
このレベルの差を感じられたことが一番の経験かもしれません。

高杉院長は出張で一緒に撮ることができませんでした( ;∀;)




生活について。
与論の人はお酒が大好きです。少しばかり飲みすぎですね。与論献奉で。
でも互いのことも知れてとてもいい文化だと思いました。コーヒー割、午後の紅茶割とてもおいしかったです。
食事はもずくそうめんが特に衝撃でした。普段もずく酢でしか食べたことがなく、めんつゆは初体験でした。
与論に行ってまた食べたい!島有泉の瓶は持ち帰り寒河江と一緒に大切に保管してます。

福島でも島有泉を飲みます


衝撃をうけたもずくそうめん!




休日について。
ダイビングやサップ、百合が浜など基本海で遊びました。オープンウォーターも取らせてもらいました。
5月は梅雨のため潜れる日はできるだけ潜りました。曇りの日が多かったですがそれでも海はとてもきれいでした。
あんなきれいな海は初めてで感動しました。

さんごが美しい島でした


ライセンスもなんとか取得!



ダイビング初日は少し恐怖もありましたが、潜ってしまえばすべて忘れてしまいました。
夏の晴れた日にもっときれいな与論ブルーを見に行きたいです。


間違いなく人生で一番の経験になりました。
最後飛行機に乗るとこまで楽しかったです。見送りありがとうございました!また行きます!

見送りありがとうございます!!


掲載日付:2023.05.28

優しい医療 2年目研修医体験談


こんにちは!2023年4月3日から5月7日まで、与論徳洲会病院で勤務させていただきました、研修医2年目の寒河江敬之です。投稿が少々遅くなってしまったのはご愛嬌いただいて、研修を振り返ります。

私は普段、福島県郡山市の総合南東北病院で初期臨床研修医として修行しておりますが、今回ご縁があって、離島研修として5週間お邪魔しました。

まだ肌寒い7℃の地元を出発し、予習も兼ねてDr.コトー診療所の映画を観ながら飛行機を乗り継ぎ、翌日与論に着きました。

那覇→与論の便からの景色



与論島は人口約5000人の島であり、入院ができる医療機関は当院のみ。与論で生まれた方は高校までを島内で過ごし、進学のため島を出て、結婚などのタイミングでまた与論に戻ってくる方が多いと聞きました。

信じられないほど大きなバッタに驚きながらも、穏やかな気候、波の音に癒されながら、到着した日。ちょうどサトウキビの収穫が終わった時期で、ざわわと揺れる音が聞けなかったのが残念でしたが・・・。

与論のメインストリート「銀座通り」


島唯一の信号機





1人暮らしには十分過ぎるほど快適な宿舎



病院での研修は非常に充実しておりました。平均で15人程度の入院患者さんを受け持たせていただき、加えて外来や訪問診療、救急対応などでてんやわんやの毎日でした。頭の先からつま先まで多彩な疾患に対応する必要があり、自分の知識・技術・経験が不足していることを痛感させられました。どのようにすれば目の前の患者さんが良くなるか、本を読んだり上級医とディスカッションしたりと試行錯誤。自分のためと言われると頑張れない私ですが、患者さんの幸せにつながる、と思えば不思議と苦ではありませんでした。

一つ想像と違った点は、相談できる環境がたくさんあったことです。
離島の医療というとすべて自分たちでなんとかしなきゃならないというイメージがありましたが、実際はしっかりとしたネットワークがありました。
常勤である院長にはもちろん、各臓器のスペシャリストの先生方と連絡を取り合うことができるため、自分の手に負えない症例でも、安心して対応することができました。

またしみじみと感じたのは、島の人々に対して「優しい医療」を提供しているということ。
島には当院しか病院がないため、不十分な状態で患者さんを帰すと後に重い病気を患って帰ってきてしまいます。忙しない外来の中、ごく軽度な症状で来た患者さんに対しても、今後を見据えてきちんとしたリスクコントロールをしてから帰宅させる。夜遅くに腹痛やめまいなどで来院し、医学的には緊急性に乏しい状態と思われても、ご本人が不安であれば一泊でも入院させる。患者さんそれぞれに対して匙加減を大事にした医療を提供しているということを、身をもって感じました。

気分転換のために毎週末ダイビングに出かけました。
自由に呼吸ができ、上下方向にも移動できるためまるで宇宙遊泳をしているよう。これはやみつきになります。ちょうど連休に被ったためライセンスを取ることもできました。



亀やニモにも会えました



干潮時のみ姿を現す「幻の」砂浜



お世話になったダイビングインストラクターの方、同僚と



与論の方は、亡くなった場所に魂が残ると信じており、自宅で看取るという慣習があります。たとえ入院中でももうそろそろ、という時がきたら退院し、住み慣れた自宅で、家族や先祖に見守られ息を引き取るというものです。私も自宅搬送を経験させていただくことができました。けたたましいモニターの音がせず、自然の中で静かに息を引き取るその様は、穏やかであり、荘厳であり、一種の儀式のような錯覚を覚えるほど印象深いものがありました。

与論を去ってからも頭から離れず、ふと考えてしまう患者さんたちが何人かいらっしゃいます。忘れられないのは決まって治療がうまくいかなかった患者さんです。私がしてきた医療行為はこれで正しかったのか。少なくとも患者さんたちを不幸にさせず、幸せにする手助けができたのか。診断から治療方針までほぼ全てを任せていただき、患者さんと真剣に向き合う機会をいただけたからこそ得られる感情だと思います。
その患者さんから、「人生は邂逅である」と回診の際にふと言われました。奇しくもその翌日に天に召され、遺言のようになってしまったためおそらく忘れることはないと思います。他人との関わりの中でしか生きていけないのだから、不義理はせず、出会いを大事にしなさい、と私を鼓舞してくださったのだと解釈しています。今回私が当院で研修できたのも、島に住む素敵な方々とお話しすることができたのも、全てが偶然の出会いによってもたらされた幸運であると思います。

総じて、間違いなく今までで最も充実した研修であり、「優しい医療」を実感した5週間でした。今回私が関わった全ての方々に対して、心から感謝を申し上げます。パワーアップしてまた与論に帰ってきます。


お世話になった高杉院長と先生方


掲載日付:2023.03.30

与論病院の研修を終えて

2,3月の与論病院での研修はこれまでの2年間の初期研修の中でも、特に色濃い研修でした。
医療的な経験に加え、島特有の文化や環境に触れたのが特に大きな経験となりました。

ミナタという亀によくあえる海岸




与論島は鹿児島県最南端にある1周20km程度の島です。
人口は5000人で島内にチェーン店やコンビニは無く、島民が交通ルールを忘れないようにと、
病院の近くに1つだけ信号付きの交差点がある島です。

晴れた日の高台からは、ヨロンブルーと言われる特有の青い海と珊瑚礁に
360度見渡す限り囲まれているのがよくわかります。
大地にはさとうきび畑と牛舎が広がって、キビの収穫時期には一際目立つ大きな煙突から
キビを煮た蒸気が立ち上っています。

着いてすぐには、与論島は本当に何も無い島だと思っていましたが、
島民に与論にいる理由を聞くと「何でも近くにあるし、困る事がない」と話します。


確かに、車を15分走らせれば島内どこでも行けるし、食べ物も美味しく住みやすいです。
けど、地理的な距離以上に「人と人の距離の近さ」を実感しました。
高齢の方は特に5-6人兄弟は当たり前だから親戚は島内にも沢山いて、同級生も人数が少ないから深い仲になります。


「島全体が顔が見える関係で成り立っている」と言っても過言では無いくらい密なコミュニティでした。

実際病院で勤務していても、
院長は受診される患者さんほぼ全員の事をご存知で、
5000人規模が島全体を診る上でちょうど良い人数だとよく話されていました。
(僕にはとてもじゃないけど5000人は多過ぎると感じられましたが...)

忙しい中でも優しく指導してくれた高杉院長



常勤医は院長1人で、そこに応援の外勤の先生方、研修医数人いて診療をしていました。
人手は少なかったですが、院長が実施している医療は自分が思っていた何倍も高い水準で、
外来では高齢者の誕生月に各種必要なスクリーニング検査をしていたり、3月には外科手術も4件あり、
ヘリ搬送もあり、内視鏡も1年間で高齢の島民全員のカメラが行えるほど活発でした。

もちろん、島に問題点が無い訳ではなく、
近年だと子供の不登校が増えていたり、アルコール使用障害の方が多かったり、
若者の島離れも多いなど、健康課題は沢山あります。

元々島の方々は与論島での生活に疑問を持っていなかったし、
永年かけて確立した持続可能な社会が出来ていたと思います。
ただ、スマートフォンの普及もあり、生活の多様性が明らかとなったことで、
島外と島内のギャップに気付かされ、悩むようになったのかなとも思います。
医療者として、どこから介入ができるのかな?なんて考えているうちに2ヶ月が過ぎてしまいました。

そんな中、私が与論の文化で特に衝撃を受けたのが、「在宅看取り率80%」という数値の高さでした。
元々、故人の魂は死を迎えた場所に留まるという文化で、

たとえ入院していても状態が悪くなると自宅へ搬送し、自宅で看取っていたとのことです。
10年程前まで島に火葬場や斎場は無かったため、遺体は家族で海の近くの土地へ土葬し、
中には一定期間あけて掘り起こして遺骨を家族が海で洗うといった文化まであったそうです。
今でも葬式の案内は島唯一の交差点にも貼り出され、島全体で喪に伏すような印象すらありました。

自分自身もこの2ヶ月で忘れられない患者さんが2,3月それぞれ1名いらっしゃいました。
院長も外勤の先生も、答えを出すのでは無く、一緒に悩んで下さった事に非常に助けられました。

いいチームで仕事ができました!


与論での2ヶ月で自分が何を得たかは、まだわかりません。
ただ、毎日島民の方と話して、病院で悩んで、綺麗な海に心洗われ続けた日常で多くのことを感じたのは確かです。
4月から千葉の南房総で後期研修が始まる中で、与論で得たものが何だったかが少しずつ実感されるのかなと思っています。

与論の事を大好きになったので、また行くのだろうなと何と無く思いながら、
帰りの飛行機で書いた備忘録でした。

何を食べてもおいしすぎる!くねんぼ食堂


潮が満ちてる百合ヶ浜もきれいでした

夕日は海に沈みます

与論病院のオリジナルスクラブ

ここからの眺めは最高でした!

掲載日付:2023.03.08

与論徳洲会病院の研修を経験して(2022年10月〜12月・腎臓内科専攻医2年目 御供 彩夏)

与論島は鹿児島県から約563km、沖縄県から約23kmの場所に位置する、
一周約23kmの隆起サンゴ礁の島です。
与論徳州会病院は島唯一の入院施設を持つ病院です。

透明過ぎてで見えない与論島の海




およそ5000人の島民の皆さんの健康と笑顔を守るべく、熱意溢れる高杉院長のもと、
個性豊かな5人の研修医とともに日々奮闘しています。

8-10名の入院患者さんの担当のほか、一般/発熱外来、救急外来、療養病棟、
特別養護老人ホーム・老人保健施設への往診、そして維持透析患者さんの
透析管理などに携わらせていただいています。
ムカデ咬傷や、ダイビングによる鼓膜穿孔、島魚の咽頭異物など離島ならではの
症例を数多く経験し、とくに咽頭異物については、湘南ERでの経験を活かし、
喉頭鏡とマギール鉗子を使用して無事除去することができました!

与論島には「自宅看取り」という文化があります。
神棚のある自宅は、ご先祖様と繋がる身近な場所であり、
終末期や老衰の患者さんはそこで息を引き取ります。

私も何度か搬送に同行させていただきました。
ひとがいつか亡くなることは変えられない事実ですが、患者さんとそのご家族、
そしてご先祖様が集まるなかでの最期を経験させていただけたことで、
医療の敗北ではなく、あるがままに人生を全うすることのお手伝いができたのでは
ないかと感じることができました。

深夜にご家族が集まる中、静かにお看取りをさせていただいたあと、
見上げた夜空には満天の星が輝いていました。患者さんの歩まれた人生でのさまざまな
経験1つ1つが星になって輝いていたのではないでしょうか。

その日のことを決して忘れることはないでしょう。

さらに、院長代行を勤めさせていただいた経験は臆病な自分を成長させてくれました。
「今日から2日間は君が院長代行だ!」
高杉院長からのお言葉は非常に嬉しかった反面、重圧に押しつぶされかけました。
2日間がとても長く感じましたし、緊張で終始下痢が止まりませんでした・・・笑


それでも、研修医のみんなとコメディカルの皆さんに、きっと自分では気づかないところでも
たくさんたくさん支えていただき、なんとか与論島の皆さんの健康を守ることができました。
この場をお借りして、心からありがとうございます。

島の透析患者さんも自分にとって大切な患者さんとなりました。
少しでもいい透析ができるように、しあわせを守れるように、
もっともっと勉強しなくては、と身が引き締まる思いです。

将来的には腹膜透析や腎移植も導入することで、
与論のCKD患者さんが今よりももっと笑顔で安心して暮らせたらいいなあと思っています。

2ヶ月の与論島の経験は医師人生と人生観を変えてくれました。
高杉院長のあたたかいなかに芯のある医療に間近で触れさせていただき、

自分には今なにができるか、なにが足りないか
今後なにをしたいか、そのためになにが必要か

日々考えるようになりました。

残り1ヶ月となりましたが、離島研修に快く送り出してくださった
湘南鎌倉総合病院腎臓病総合医療センターの先生方と、
そして鎌倉で担当させていただいている患者さんに少しでも成長した姿をみていただけるよう、
精一杯頑張ります。

与論島での生活の一部と美しい景色を写真でお届けします!!

2022年11月30日 与論島より 御供 彩夏

お世話になった高杉院長と


与論島の雲

与論島の夕日

同期メンバー

共に学びました

今はそれぞれの地で頑張っています

ちょっとした小鳥サイズのバッタ

人慣れしすぎた猫

ドクターへリ搬送も経験しました

ヨロン駅(電車はとまりません)

年中さいてるハイビスカス

バナナひと房の概念が違う

お魚もとってもおいしい

忘れられない味です。




※御供先生より記事転載の許可を頂いております。
元記事:https://www.sk-kidney.com/recruit/2022yoron/

掲載日付:2023.03.08

BLS講習会(初期研修医小林Dr)

与論の3月はとても暖かく、つい先日も海に飛び込んできました初期研修医の小林功樹です。
病院スタッフの中で最近テントサウナが人気で、私自身も毎週のようにお邪魔しています。

テントサウナ(薬剤部の方から写真をおかりしました)



そんな与論病院ですが、2月末にBLS講習会を2日間にわたって開催しました!
私自身1時間の枠の講習会を2日も任せて貰える機会なんてなかったので、
張り切って準備しました!

まずは会議室で座学




みなさんBLSと聞いて何を思い浮かべますか?

BLSとはBasic Life Supportの略で、誰もが(AED以外の)特別な器具がなくても
できる心肺蘇生法のことを指します。

心肺停止患者を救う上で最も重要なのは、救急隊でも病院スタッフでもなく「そばにいたあなた」です!
というメッセージが少しでも伝わればと思って、胸骨圧迫の適応と手法についてを軸にシンプルな構成でお話しました。

実際に体験してみましょう!



一般の方は人生において蘇生に携わる機会がない方ばかりだと思います。

ただ、BLSを実施できるかどうかだけで、
たまたま遭遇した目の前の人の命の危機を医療的な資格を持つことなく救えるとしたら、
学んでみたいと思いませんか!

院内のAEDやベッドでの胸骨圧迫について



ガイドラインが2020年に改訂されたこともあり、
私自身がBLSを受講した時からもいくつか変更が加えられており、スライド作成しながら勉強になりました。
医療スタッフも非医療スタッフの方々も積極的に参加いただいて、
質問も本当にたくさんして頂いたお陰でとても充実した講習会となったと思います!!

豊かな自然と温かい人に囲まれた与論病院は楽しくも充実した研修を送れる素敵な所ですよ!

3月の海




漁港から見える海もこんなにきれいです。


与論城跡から沖縄本島を




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この記事を読んでいるあなたへ!


一緒に与論島で生活してみませんか?
島ぐらし、島の医療、島の観光、
いろんな体験をしてみませんか?
これまでと違った環境で気づきがあるかもしれません。


【問い合わせ先】
与論徳洲会病院 総務課
電話: 0997-97-5388

インスタグラムでは与論病院で働く様子、島での生活の様子を
随時アップしています。
https://www.instagram.com/yoron_hp/


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